2019-05-06 質問 根 解 用語 方程式 多項式 定義
「根と係数の関係」という書き方と「解と係数の関係」という書き方を見かけます。「根」と「解」という言葉に違いはありますか。
根について。\(x\)の多項式\(f(x)\)が\((x - a)\)の積の形に因数分解するときの\(a\)を「多項式\(f(x)\)の根」といいます。また\(a\)を「方程式\(f(x)=0\)の根」ともいいます。
解について。方程式\(f(x)=0\)に対して\(f(a)=0\)を満たす\(a\)のことを「方程式\(f(x)=0\)の解」といいます。
ですから、\(a\)が「方程式\(f(x)=0\)の根」ならばその\(a\)は「方程式\(f(x)=0\)の解」でもあります。
ですから、方程式の「解と係数の関係」「根の係数の関係」という表現はどちらも同じ意味です。
しかし、「根」と「解」は同じ意味というわけではありませんし、いつでも置き換えが可能なわけでもありません。「この多項式の根は…」といいますが、「この多項式の解は…」とはいいません。
以上の説明は、ほぼ『岩波数学入門辞典』に依るものです。
ちなみに『数学ガール/ガロア理論』では多項式に対しては根、方程式に対しては解と使い分けています。p.104にはそのことを簡潔に(でも明確に)書いています。さらに「本によっては方程式の解を根というものもある」ことにも触れています。
2019-05-06 質問 根 解 用語 方程式 多項式 定義