2018-05-15 問題 論理 整数 ならば 述語
\(P\)は非負整数に関する述語とします。
任意の非負整数\(m\)について、
「\(n < m\)を満たすすべての非負整数\(n\)について\(P(n)\)が成り立つならば、\(P(m)\)が成り立つ」
と仮定します。
このとき「任意の非負整数\(n\)について\(P(n)\)が成り立つ」といえますか。
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いえます。
この問題のポイントは\(P(0)\)が成り立つかどうかです。 結論から言えば\(P(0)\)は成り立ちます。
\(P(0)\)が成り立つといえるのはなぜか、順序立てて解説します。
読みやすくするため、
「\(n < m\)を満たすすべての非負整数\(n\)について\(P(n)\)が成り立つ」
を\(Q(m)\)とおきます。
この問題では、任意の非負整数\(m\)について「\(Q(m)\)ならば、\(P(m)\)が成り立つ」を仮定しています。この仮定から、\(Q(0)\)が成り立つならば、\(P(0)\)も成り立つといえますね。
では、\(Q(0)\)を調べましょう。
\(Q(0)\)は、
「\(n < 0\)を満たすすべての非負整数\(n\)について\(P(n)\)が成り立つ」
です。ですから、\(Q(0)\)は次のように言い換えられます。
「どんな非負整数\(n\)についても『\(n < 0\)ならば\(P(n)\)』である」
どんな非負整数\(n\)についても\(n < 0\)は偽なので『\(n < 0\)ならば\(P(n)\)』は真です。
よって、\(Q(0)\)は成り立ちます。
以上により、\(P(0)\)は成り立つことがわかりました。
この問題は想像以上に正答率が低かった問題です。結城がTwitterで出題したところ、回答者が1131人で、正答率は30%に留まりました。
2018-05-15 問題 論理 整数 ならば 述語