2019-06-01 群 群論 逆元 準同型 アーベル群
\(G\)を群とする。\(G\)から\(G\)への写像\(f\)は、\(G\)の元\(x\)に対してその逆元\(x^{-1}\)を対応させるものとする。このとき、以下が成り立つ。 \[ \text{$G$はアーベル群} \,{\Leftrightarrow}\,\text{$f$は群準同型} \]
\((\Rightarrow)\)\(G\)はアーベル群とする。\(x\)と\(y\)を\(G\)の元とすると、 \[ \begin{align*} f(x\cdot y) &= (x \cdot y)^{-1} && \text{$f$の定義} \\ & = y^{-1} \cdot x^{-1} && \text{逆元の性質} \\ & = x^{-1} \cdot y^{-1} && \text{アーベル群} \\ & = f(x) \cdot f(y) && \text{$f$の定義} \\ \end{align*} \] よって\(f\)は群準同型である。 \((\Leftarrow)\)\(f\)は群準同型とする。\(x\)と\(y\)を\(G\)の元とすると、 \[ \begin{align*} x \cdot y &= (x^{-1})^{-1} \cdot (y^{-1})^{-1} && \text{逆元の性質} \\ & = (y^{-1} \cdot x^{-1})^{-1} && \text{逆元の性質} \\ & = f(y^{-1} \cdot x^{-1}) && \text{$f$の定義} \\ & = f(y^{-1}) \cdot f(x^{-1}) && \text{$f$は群準同型} \\ & = y \cdot x \\ \end{align*} \] よって\(G\)はアーベル群である。 (証明終わり)
2019-06-01 群 群論 逆元 準同型 アーベル群