2016-05-21 問題 群 任意
群\(G\)の元\(a\)は「\(G\)の任意の元\(x\)について\(ax=x\)」という条件を満たし、\(G\)の元\(b\)は「\(G\)の任意の元\(y\)について\(yb=y\)」という条件を満たすものとします。このとき\(a=b\)はどんなときに成り立ちますか。
解答表示
\(G\)の任意の元\(x\)について\(ax=x\)が成り立つことから、\(x\)として\(G\)の元\(b\)を使えば\(ab=b\)がいえます。また、\(G\)の任意の元\(y\)について\(yb=y\)が成り立つことから、\(y\)として\(G\)の元\(a\)を使えば\(ab=a\)が言えます。\(a\)と\(b\)のどちらも\(ab\)に等しいので\(a=b\)が成り立ちます。
いまの説明の中で、群\(G\)について有限性や可換性や位数に関する条件は何も使いませんでしたので、\(a=b\)はいつも成り立ちます。
ちなみに、群には単位元が必ずあり、単位元は\(a\)の条件も\(b\)の条件も満たします。ですので、この問題の\(a\)と\(b\)はすべての群で存在します(そして当然\(a=b\)が成り立ちます)。
上の解説よりもずっと簡単に考えることができそう。
\(G\)の任意の元\(x\)について\(ax=x\)が成り立つことから、\(x\)として\(G\)の単位元\(e\)を使えば\(ae=e\)がいえますので、\(a = e\)です。同様にして\(b = e\)です。したがって\(a = b\)です。
2016-05-21 問題 群 任意